コンサルタントはどうやって選べば良いのか?
前職から合わせて20年以上、コンサルタント業務に携わって参りました。その間に、国内系・外資系大手のコンサルタント会社から独立系のコンサルタントまで、様々な分野の専門コンサルタントの方と関わってきました。
その経験から、「机上の空論」ではなく、本当にクライアントに成果をもたらす優秀なコンサルタントの方には、いくつかの共通点があります。私が考えるコンサルタント選びの重要なポイントは次の5つです。
①コンサルタント自身が問題の当事者として、日々考え実践し乗り越えてきた経験がある
賢明なあなたはお分かりの通り、MBA的な教科書の知識だけでコンサルタントは務まりません。
そういうコンサルタントは結果に対して外野からの批評はしますが、ゼロから考え、プロセスの中でモノを生み出すという知恵が働きません。問題の当事者として、切羽詰まった状態を、なんとか上手くいかせないといけないと必死に考え続けるから、知識が知恵に変わるのです。
そもそも、実際の現場では、人間関係の問題が更に問題をややこしくしています。海外の理論が言葉通りに日本に当てはまるわけでもありません。きれいごとではなく、泥臭いものです。
にもかかわらず、「知っているつもり、わかっているつもり」の“妄想”コンサルタントが多いのが実態です。
あなたが日々悩んでいることを、当事者として克服してきたコンサルタントをぜひ選んで下さい。
②自分自身の体験を、理論や原理原則に基づいて検証し、再現性のあるノウハウにしている
これは①と矛盾するようですが、そうではありません。
コンサルタントに当事者としての経験則があればこそ、数多の研究者が研究してきた教科書の知識を、自分の経験と結び付けて、何が本質なのかを知ることができるのです。
経験則だけ、あるいは教科書の知識だけでは、クライアントのお悩みの理解が極めて浅くなってしまいます。経験と知識がコンサルタント自身に腹落ちしているからこそ、クライアントのお悩みを深いところで理解し、そこに原理原則を当てはめて、本質的な問題解決に導くことができるのです。
自分が上手くいったノウハウをコンサルティングしているコンサルタントは多いですが、そこに原理原則がないと再現性はありません。ぜひ、理論や原理原則を現場にしっかりと落とし込めるコンサルタントを選んでください。
③再現性のあるノウハウで、クライアントが成果を出している
言うまでもなく、クライアントの成果が作り出せなければ、そのコンサルティングに何の意味もありません。そして、クライアントの成功事例に、一貫した原理原則が働いているかどうかを確認してください。
よく、お客様のお話を聞いてから解決策を考えるというコンサルタントがいます。しかし、行き当たりばったりでは、無駄に時間を浪費したり、必ずしも最善の策ではなかったりと、あなたがコンサルタントに払っているコストがムダになってしまいます。
コンサルタントのノウハウに、一貫した原理原則があるのであれば、必ずあなたの会社でも再現できます。
④思い込みに縛られず、クライアントの問題に真摯に向きあい、柔軟に解決策を考える姿勢がある
これも③と矛盾するようですが、そうではありません。
原理原則は不変でも、そこにたどり着くための道筋は、会社の状況によって様々です。
ましてや、あなたのお悩みやその要因を十分に理解せずに、コンサルタントの思い込みで「こうあるべきです、この方法が正しいです」と先走ってしまっては、ゴールにたどり着く前に、息切れをしてリタイアしたり、道をそれたりしてしまいます。
意外にコンサルタントの中には、あなたのお悩みを理解したつもりになって、性急に答えを出す方が多いものです。ぜひ、あなたやあなたの会社の社員の話にじっくり耳を傾け、柔軟に、でも適切な判断をするコンサルタントを選んでください。
⑤専門外は、その道で優秀なコンサルタントの人脈を持ち、活用できる
一人のコンサルタントが、あなたのお悩みのすべてを解決できるわけではありません。
コンサルタント会社には、あれもできます、これもできますという会社もありますが、自身の専門領域をわきまえている謙虚さが必要です。そして、その時に、専門外の分野で、優秀なコンサルタントの人脈を持っているコンサルタントは安心できます。
当然、コンサルタント自身が優秀なコンサルタントを見抜く力を持っていなくてはいけません。
常にスキルアップを図るために勉強しているコンサルタントは、同じように向上心が高いコンサルタントとつながっているケースが多いです。コンサルタントがスキルアップを望むのは、クライアントに対してよりよい成果をもたらすことを望んでいるからです。
あなたの会社がコンサルタントの指導を受ける場合、まずはこれらのポイントについて、しっかりと確認してください。言うまでもなく、一定期間お付き合いする相手ですので、人柄も重要な要素になります。
あなたの会社が、かけたコスト以上の成果をつかみ取って、新規開拓に成功されるよう心から願っています。